いつもと違う道を使って学校へ行く。


駅までだらだらと歩きながら風景を楽しむ。


商店街を抜け、幼稚園の前を通り小学校の横道を歩く。

そして横道を抜けると大きく広がるでかい公園。


このルートは小学校のころを思い出す。

地域の野球チームの練習していた小学校へ行く道だからだ。


商店街を抜け、正面に見える幼稚園。

外観が珍しく、印象に残る形をしている。


しかし見るとその幼稚園は取り壊されていた。

というか取り壊されている最中だった…

少し立ち止まって壊される幼稚園を眺める。

思い出がひとつ消えたような気持ちになる。

ここに通っていたわけではない。

しかしセピアに彩られた風景が消えてしまったような気持ちになった。


壊される幼稚園を横目に再び歩き出す。


今度は小学校が見えてくる。

私が野球で練習していた小学校だ。


見ると校庭で小学生が体育をしている。

どうやらミニサッカーみたいなことをしている。

再び立ち止まって眺める。


私が小学生のころに比べて今の日本はサッカー大国になった…と思う。

もちろん私のときも小学校の体育でサッカーはした。

だがあの時はそこまでサッカーが今ほどメジャーではなかった。


今は違う。もはや野球を超える人気スポーツだ。


私たちが小学生だったころ遊んでいたサッカーとは明らかに今は違う。

一人の男の子がボールを持つ。

するとマルセイユルーレットっぽいことをするのだ!?

しかしボールをうまくコントロールできず、相手チームの男の子にボールが移る。

すると今度はその男の子もマルセイユをするのだ。

私は少し滑稽にその体育を眺めた。


私は確実にサッカーでイメージを持っていたのはキャプテン翼の日向くんだ。

強引なドリブル、強引なシュート。

剛をストイックに目指すその漫画のキャラクターにあこがれたものだ。

今はみんな中村俊輔になっている。

日本のサッカー事情も変わったのだな。

私はそう思うとまたもや少し哀愁漂う面持ちになる。


今日は少し早起きしてよかった。

ゆっくり駅へ向かうのもたまにはいいな。